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クアデルノを楽譜として利用する

はじめに

電子ペーパーを楽譜として使うことに興味を持っている方は少なくないのではないかと思います。

私も電子ペーパー歴が長くなってきたので、ここらで使い勝手などをまとめてみようと記事にしてみました。

 

 

電子ペーパーの楽譜の最高峰は今も昔もGVIDO(グイド)だと思いますが、生産終了して新たに製品登録することができない状態になっているようです。
製品登録をしていない新品、または中古でも初期化された製品はセットリストが作れずファイルの振り分けができないとAmazonのレビューに書かれていました。

そうなると、2025年2月現在の現実的な選択肢はクアデルノかBOOXかと思います。

私は富士通から販売されている電子ペーパー、クアデルノ(Quaderno)を電子楽譜リーダーとして使っています。

 

 

クアデルノで楽譜を見るためには、楽譜をPDF化する必要があります。

 

私は楽譜のスキャンにはScanableというアプリを使用しています。
非常に高性能で、書類の範囲を自動で識別してくれるうえ、撮影後のトリミングの操作感も非常に良いです。

暗い場合はスマホについたライトがONとなって照らしてくれるので、明るさにあまり神経をとがらせる必要もありません。

 

2025年2月現在、スキャンした書類を直接別のアプリに送信するためには課金が必要となっており、課金しない場合はEvernoteにデータを送信する形となります。
Evernoteを経由してクアデルノのアプリに送信することは可能です。

 

 

 

スキャンはできるだけ紙を平らにして、明るいところで、かつ照明が極端に強くて照明の形に反射してしまうような状態は避けるのが好ましいです。
冊子になっている楽譜をスキャンしたい場合、理想は一度スキャナーで紙に印刷することです。もっと理想は1枚ずつ紙を切り離すことですが、これは冊子として使えなくなるので現実的には難しいでしょう。

撮影時はスマホを手で持ってもよいのですが、俯瞰撮影できる三脚があると作業効率が上がります。
紙をできるだけ平面に近づけることが大切です。

 

左のページを撮影するときは右のページを、右のページを撮影するときは左のページを上に持ち上げることで、持ち上げなかった側のページが膨らむのを抑えることができます。

また、ページとページの間の空気を抜くの大切です。手のひらでなでることで空気を抜いて、再び空気が間に入るまでの数秒間の間に撮影をしてしまいます。

 

光源との位置関係も大事で、先ほど撮影しない側のページを持ち上げると書きましたが、持ち上げたページを光源の方向に向ければ陰になりません。
ページを持ち上げると、撮影範囲を自動判定したときに境目を明示する利点もあります。

 

 

Scanable以外のアプリの場合どうか分からないのですが、撮影後のPDFファイルを見ると、ページによってサイズが異なっている場合があります。
多くのページがA4サイズになるのですが、一部何倍かの大きさになってしまっている場合があります。

 

この状態だとパソコンでファイルを開いてみるとページをめくるたびに倍率を変えないと見にくくなってしまいます。
幸いクアデルノで開いた場合にはサイズが自動的に画面いっぱいに補正されるのでその心配はありません。

 

しかし、大きなデメリットが生じます。
それは、同じ設定なのにページによってペンの太さが変わってしまうということです。

A4サイズのページで太かったペンが、A3サイズのページでは細くなってしまうといようなことです。

 

ペンの太さは拡大、縮小する前のページに対してのものなので、クアデルノ上で同じサイズに見えるページ同士でも、元のサイズが大きいページほど縮小して表示されているわけなので、その分ペンの太さも縮小されてしまうということなのです。

 

これは不便なので、パソコンが使えるのであればPDFファイル内のすべてのページのサイズを統一しておいた方がよいです。
やり方は、Windowsの場合だとパソコンのAdbe Acrobatでファイルを開いて、印刷からプリンターを「Microsoft Print to PDF」を選択します。

 

ページサイズ処理で「特大ページを縮小」を選択した状態でプレビューを見ると、各ページのサイズが統一されていると思います(たまに倍率30%などと表示されるのが、例のサイズが大きいページです)。

 

これで印刷を行うと、紙ではなくPDFファイルが作成されます。
新たに作成されたファイルはサイズが統一されているので、これをクアデルノに送信します。

クアデルノを楽譜として使うのに便利な3つの機能

直近のアップデートによって、第2世代以降のクアデルノは本番でもなんとか利用できるようになったと思います(残念ながら第1世代にはこれらのアップデートは入りませんでした)。

一つ目はフットペダルでの譜めくり対応。二つ目は見開き表示したときの先読み機能、三つ目がお気に入り機能です。

フットペダルによる譜めくり

フットペダルなのですが、これは試したところ正直微妙でした。
電子ペーパーはiPadのようにヌルヌルとページが切り替わりません。ページをスワイプしてから1秒の何分の1かのタイムラグののち、ページが切り替わります。

 

別にページが終わるより早めに切り替えておけばよいではないかと思われるかもしれません。

 

私もそう思っていたのですが、切り替えの間元のページも次のページも読めない時間が生まれてしまうことがあるようなのです。
私はギリギリまで楽譜を見ておきたいので、まったく楽譜が読めない時間が生まれてしまうのはきついなと思いました。

 

ただし、次に書く先読み機能と組み合わせて使うのは有用だと思います(先読み機能を使うなら手でも譜めくりできるので私は使っておりませんが)。

先読み機能

先読み機能の概要

先読み機能は非常に優れた機能です。

 

ページ送りを行うと見開きで表示したページのうち、ページ数が小さい方の1ページだけが次のページに切り替わります。

 

見開きで2ページセットでめくれる場合、1-2ページの次は一気に3-4ページになります。
これが、1-2ページの次は3-2ページになり、その次に3-4ページになるということです。

これにより、1ページの中のどこかに譜めくりできる程度の休符があれば、譜めくりに困ることはなくなるようになっています。

先読み機能のデメリット

デメリットは見開き表示でないといけないので、楽譜のサイズが小さくなってしまうことです。

10.3型で見開きはあまりに小さいので、13.3型でないと実用性はないと思います。

そして、13.3型でも見開きは正直小さいので、これで見るのが難しいという方にはお勧めできないかなと思います。

先読み機能を使うならやった方がよいこと

先読み機能を使うときにやった方がよいと思うのが、ページ数を大きく書いておくことです。

 

最新のページが左にいったり右にいったりするので、ページ数が見えないと譜めくりが済んでいるのか済んでいないのか、咄嗟に分からなくなってしまいます。

 

私は各ページの左上または右上に大きくページ数を書くとともに、譜めくりのタイミングで矢印+次のページ番号を記載しておくことで、ここを超えてこのページが出ていなかったら譜めくりをしそびれていると分かるようにしています。

お気に入り機能

忘れていましたがもう一つ、追加された重要な機能としてお気に入り機能がありました。
本番利用というのを考えたとき、セットリストが作れないのは致命的な弱点でした。

やっと、1セットだけですがリストにまとめられるようになったので、なんとか複数曲が別ファイルになっていても使えるようになりました。

 

今は小さい楽譜でも大丈夫な方にはギリギリお勧めできるくらいになっているのですが、お気に入りが複数作れるようになったらまあまあお勧めできるくらいになるかなと思います。

10.3型第1世代と13.3型第2世代のクアデルノの比較

現在はカラーの第3世代も出ているようですが、私は10.3型の第1世代と13.3型の第2世代を持っています。

 

電池の持ちは明らかに異なっていて、サイズが大きい方が消耗が激しいというのもあるのかもしれませんが、明らかに第1世代の方が持ちが良いです。

第1世代はスリープモードにしておけばほとんど電池が減りません。数日経っても減りに気がつかないレベルです。
第2世代はスリープモードにしていてもちょっとずつ電池が減っていく感覚があります。数日経つと明らかに減ったなと思います。そのため、使わないときは電源をOFFにしています。

 

ペンが充電式でなくなったことも影響しているのかもしれません。それから、画面の反応速度がよくなったようなことがどこかに書かれていた気がしますが、リフレッシュレートが速くなったということならばその分電池の消耗は激しくなっていることでしょう。

 

頻繁に書き込みをしたり通信を行ったりしない限りは数時間の利用で途中で充電が必要になることはないと思いますが、第1世代に慣れている方は第2世代を同じ感覚で使うと減りが速いと感じると思います。

 

 

それから、これは世代は関係ないですが13.3型は本体も画面も10.3型を2枚並べるよりは小さいです。

さいごに 電子ペーパーのメリット

電子ペーパーのメリットは液晶のように画面が光るのではなく外部の光の反射で見るので紙と一緒で目に優しいことと、電池の持ちがよいことです。
クアデルノに関しては非常に軽いのも大きなメリットで、片手で楽々持つことができます。

 

BOOXのように多機能な電子ペーパーはどうしてもある程度重くなってしまっていますが、極限まで機能を絞っており、本体もプラスチックをふんだんに使うことで非常に軽量化されています。

 

代わりに高級感のようなものはないので、そこには期待しない方がよいでしょう。画面も柔らかい素材で作られているので、縁の辺りが多少たわんでいたりします。
Apple製品のような全く非の打ちどころのない美しさのようなものは追及せず、ひたすら実用性を突き詰めていった結果だと思います。

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