音形とは
演奏会のキャンセルで時間ができたという方も多いと思うので(逆に忙しくなっている方もいらっしゃると思いますが)、一緒に音形について考えてみるのはどうでしょう(なぜ)。
音形の漢字については音形と音型がありますが、ここではそれには言及しません。
音形とは何か?できるだけ明確に定義してみたいと思います。なお、普通は音形の説明では、同時に音形を用いる目的まで述べられるのですが、ここではそれはしません。あくまで言葉の定義だけを、どこまで明確にできるかという試みです。
音形の定義(初版)
最初に考えたのはこれです。
↓
ある連続した時間の中に…a
存在することを想定された…b
1つの旋律を、…c
音の高さを縦軸、時間を横軸とした平面上に曲線で書き表したときの、…d
その曲線の形…e
のこと
それぞれの意図を少し説明すると・・・
a:まず音楽なので、時間という概念が存在しないことには始まりません。絵画や風景は一目、一瞬で形が把握できますが、音楽でそれは無理ですよね(瞬間的に鳴った和音を把握するようなことは可能なように思うかもしれませんが、音波の1周期にも満たないような瞬間だったらどうでしょう。音程すら確定できないのではないでしょうか)。それから、時間を連続と書いたのは、「今日1小節目を演奏しました。23時間59分休みがあり、明日2小節目を演奏しました。」となったとき、これを果たして1つの音形と呼べるのか、大いに疑問に思うためです。1つの音形は、あくまで連続していなければならないのではないかと。
b:音形を把握する方法は2つあり、1つは楽譜として表現されたものを見る方法。もう1つは演奏されたものを聞く方法です。「想定された」と書いたのは楽譜を意識しています。実演されなくても、譜面上で音形が確認できますからね。
c:これは私のイメージですが、音形を考えるというのは、基本的には同じ曲内で他の部分との比較を行うのが目的だと思います。2つ以上の連続した旋律だと、もはや2つの音形なのではないかと・・・
d:形を把握するためには、2次元平面上に表現する必要があると考えています。
e:音形というからには、当然形のことですよね。傾きのことでもないですし(傾きの変化率とは言えるかもしれませんが)、山の数のことでもない。あくまで形そのもののことだと思います(音形を利用して分析する段階では、当然傾きも山の数も関わってきます。これらは音形が定義されているからこそ認識できるものかと)
その後、インターネットなどを調べて思ったことが、
- b:これだと実演が排除されてしまう
- c:これだとリズムパターンが考慮されていない
- c:旋律 + 休符 + 旋律 のようなパターンが排除されてしまう?
- c:広く、ABAの3部形式のAを1つの音形と捉えてよいこともあるのでは?
音形の定義(改定版)
ということで、このように改良してみました。これでいかがでしょうか。
ある連続した時間の中に
存在する、あるいは存在が想定された
1まとまりの旋律を、
音の高さを縦軸、時間を横軸とした平面上に書き表したときの
形
音形と音型
ところで、言及しないと言った漢字について少し。
「言語音形論」というものがあるようです。
↓
言語音形論
読んでないので内容は分からないのですが、音楽ではなくて言語学関係だと思います。言語学のそれと区別する意味での音楽での「音型」なのかもしれませんね。分かりませんが。
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