最近ハノンにハマっていて、「音楽的」ということについて考えることがあります。
ある演奏が音楽的かどうか。それを決めるのに、「演奏された音楽が何か」は関係なくて、「どう演奏されたか」だけが問題になると思います。
例として、ロマン派くらいまでの音楽は旋律を持っています。
旋律はアルペジオ(跳躍)とスケール(順次進行)からできています。それを音楽的に表現できるのであれば、同様にアルペジオとスケールからできているハノンも音楽的に表現することは可能なはずです。
ハノンの1番は、ドミファソラソファミという音形が使われています。これは、ドミというアルペジオとミファソラソファミというスケールがつながったものと考えることができます。
さらに、スケールと言った部分も細かく見ると、ミソミという和声音に対して、経過音のファ、刺繍音のラという構成になっています。
これらを意識するだけでも、この単純な音形であっても音楽的な意味を持ってくると思います。
さて、今私がやったのは、羅列された音を1つ1つ分類して、意味を持たせるということでした。ドミファソラという音それぞれが、アルペジオとスケールのどちらに属するのか、また、和声音と非和声音のどちらに属するかという意味付けをしました。
平たく言うと、音楽的な演奏というのは、意味ありげに聞こえる演奏のことだと思うのです。
演奏が、聞く人が親しんでいる意味付けのルールに則っていればいるほど、音楽的に聞こえるのではないでしょうか。
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