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移動中に聞く音楽について

タイトルからは、私が移動中に何を聞いているかを書いていると思われたかもしれませんが、違います。

今回のテーマは、移動中に音楽を聞くべきか否かという、音楽の内容ではなくて、音楽を聞くという行為についてです。

私は移動中、あまり音楽を聞きません。

 

まず思い出されるのは、身の回りの音は全て音楽なのだから、耳をすませて聞いてみるべきだという、ある作曲家(メシアン?)の言葉です。

歩いているとき音楽を聞いていたら、その分外から入ってくる音の情報量は減ります。当然です。ですから、外の音を楽しみたいという理由は考えられます。しかし、これは主な理由ではないのです。

 

 

音楽プレイヤーで音楽を聞いていると、聞く音楽がプレイヤーが再生するものに固定されてしまいます。どうも、それが窮屈に感じてしまうのです。

歩いていて、「あ、あの曲のあの部分を復習しておこう」と思ってその部分を思い出そうとしても、プレイヤーから別の音楽が鳴っていたら難しいでしょう。

そして、「なんとなくあの曲が聞きたい」と思ったらその曲を思い浮かべればよいわけで、わざわざプレイヤーから鳴らさなくてもよいのです。

一番重要だと思うのは、つい、「鼻歌で歌ってしまうような曲」というのが、あらゆる場面で存在すると思うのですね。その曲がなにだったかというのが、自分の潜在的な好みを理解するのに重要なものだと思うのですが、音楽プレイヤーから強制的に音楽を聞かされた状態では、そんな自然な感情が生まれないでしょう。

 

 

そんなわけで、私が外で音楽を聞いているときは、強制的にでもその音楽を聞くべきときに限られています。そのとき勉強が必要で、どうしても近日中に聞いておきたい音源があるような場合です。

 

 

ただ、自然に任せることもよいと思うのですが、そこには難点がります。それは、新しい音楽作品に触れられないということです(「作品」とつけたのは、人為的に作品として作られていない「音」は常に周囲で鳴っているからです)。これだけが理由だとは言いませんが、はやりのポップスなどの情報からはどんどん疎くなっていってしまうんですね。

 

なにごとも善し悪しがあります。

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