楽器の演奏には筋肉を使う必要があります。演奏家の体の使い方というのは、スポーツ選手に比べると、まだまだ研究が十分に行われていないのではないかと思っています。
音大で扱われる内容は音楽自体に関することばかりで、演奏家の体の動きに関する研究をしているという話は聞いたことがありません(全く行われていないということもないのでしょうが)。
スポーツの世界だと、トレーナーをつけて科学的な裏付けに基いて合理的なトレーニングが組まれるようになっていますが、音楽の演奏の世界だとそれはないでしょう。
そんな楽器演奏の世界において、体の使い方、筋肉の運動の仕組みについて研究が進んでいる楽器が、ピアノだと思います。
ピアノに関しては、奏法に関する書籍が非常にたくさん出版されており、非常に細かい話まで出ているんですね。手の中の骨や筋肉にまで言及しています。
クラシックギターになると、そこまでの内容の書籍というのが見当たりません。
ギターで必要な指の筋肉というのはピアノと共通するところがかなりあるのではないかと思っています。
どちらも指を独立して動かしたり、指先の関節の固さを自在に変えたりする必要があります。
そのため、ギターの専門書では十分な情報が得られない現状では、ピアノの専門書を利用して手の構造を理解するのが現実的な方法かと思います。