バッハが作曲した管弦楽組曲第三番のアリア。『G線上のアリア』としても親しまれているこの曲が好きで、最近練習しています。
原曲は 1st ヴァイオリン、2nd ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音による合奏なのですが、曲の後半の 2nd ヴァイオリンに興味深い部分があります。
似た音形を繰り返しながら音が上昇していく部分で、
このように、音形が3回繰り返されます。
1 ~ 3 と番号を振った通り繰り返されるのですが、よく見ると 1 と 2、3 では音型の2つ目の音が上行するか下行するかという違いがあるのに気がつきます。
ここを全て一緒にはしないところに、バッハの神がかった旋律作成能力があると思います。
全て一緒にすると、番号 1 に合わせて
あるいは番号 2 に合わせて
になりますが(※が音を変えた部分)、これらに元の旋律ほどの魅力は感じられません。
単なる3回の反復ではなく、1回目だけはほんの少し違う形にしている。何度も繰り返し弾いていると、この僅かな違いが旋律にもたらす影響がどんどん大きく感じられてきます。まさに神が細部に宿った例なのではないでしょうか。
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